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皆様覚えていらっしゃるでしょうか?平成23年度の税制改正はまさに迷走したものでした。
その迷走後、「経済社会の構造の変化に対応した税制の構築を図るための所得税法等の一部を改正する法律」が、
平成23年11月30日可決され、同年12月2日に公布、これにより、納税環境整備に関する国税通則法の改正が
行われました。
国税通則法とは、国税(税金)に係る共通的な手続き等が明記されている法律です。
この改正がどう企業に影響するのかというと、主に「税務調査」が変わります。
今まで税務調査の手続きは、税務当局の事務運営に委ねられていて、明文化した規定は存在しませんでしたが、
初めて法律として規定されたものです。
適用時期は平成25年1月1日以後の税務調査からであり、本年に入りその様相は変わって参りました。
改正内容を交えて、税務調査手続の流れに添いながら、ご説明していきたいと思います。
●事前通知
通知内容
1.質問検査等を行う実地の調査(以下「調査」という。)を開始する日時
2.調査を行う場所
3.調査の目的
4.調査の対象となる税目
5.調査の対象となる課税期間
6.調査の対象となる帳簿書類その他の物件
7.調査の相手方である納税義務者の氏名及び住所又は居所
8.調査を行う当該職員の氏名及び所属官署
(その職員が複数であるときは、その職員を代表する者の氏名及び所属官署)
9.1又は2に掲げる事項の変更に関する事項
10.当該調査により3~6以外の事項について非違が疑われる場合、その通知
内容以外の事項についても調査対象になりうること
実地の調査を行う場合は、上記内容を通知することが規定されました。
通知対象者は、納税者本人、調書提出者、代理人(税理士・通知弁護士)です。
このうち、1と2は、納税者が合理的な理由をもって変更を求めたときは、
『協議するよう努める』こととされています。
現在でも、日程・場所が合わなければ調整をしていますので、ここは従来通りでしょう。
3~5は、例えば「○年分の所得税の申告内容の確認をするために○○と○○の帳簿、
書類をみせてもらいます」など具体的な内容をいわれるでしょう。
通知方法としては、事前に文書で、また、例外として調査の相手方の同意がある場合には、
実地調査当日に文書を交付することもできます。
反面調査の場合は、調査対象者の名称及び確認対象取引は通知しません。
また、調査対象者本人には通知されません。
そして、10が曲者です。
「非違が疑われる場合」は改めて通知することなく通知した内容以外も調べることが
出来ることがうたわれています。
あれこれ探られる前に、いったいどんな「非違が疑われる」のかきちんと説明をしてもらい
納得してから調査を受けないと範囲がどこまでも広がると大変です。
と、このように項目は多いですが、通知されるものは、充分な対策さえあれば、
従来の調査より怖いということはないと思われます。
むしろ、怖いのは、無予告調査についても定められたことでしょう。
従来も、現金商売などを中心に、抜き打ち調査は行われてきましたが、
いわゆる税務調査(令状による強制調査以外)は、あくまで任意調査であるため、
忙しい等を理由に、日を改めて調査を受けることもできました。
しかし、『税務署等が保有する情報から、事前通知をすることにより正確な事実の把握を困難にする、
又は調査の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあると認められる場合には、
事前に通知せずに税務調査を行うことがあります』※と、堂々と抜き打ちで税務調査ができるよう
認められたのです。
しかし、無予告調査が例外である以上、「なぜ無予告調査となったのか」の説明を求める権利はあるはずです。
できれば、きちんと書面に残し、後日の調査結果に納得がいかない場合に備えましょう。
提供:税理士法人 武内総合会計
資料:「税務手続について~国税通則法等の改正~」国税庁・国税局・税務署発行